人はどうやって記憶する?脳の仕組み

リンゴと女性

分野が違う

昨日の夜に何を食べたか、一年前に誰とどんな話をしたか、あるいは教科書でどんな知識を得たか、これらというのは全て「記憶」と呼ばれるものです。
人間は日々の記憶を積み重ねることで現在の自分を作ることが出来る動物ですが、そもそもこの記憶というのには、実は幾つかの種類が存在しています。

記憶の分類は大きく4つに分かれており、それぞれ分野が違います。
まずは「意味記憶」と呼ばれるもので、例えば言葉についてであるとか、知識であるとかがこの分野に当たります。
次に「エピソード記憶」と呼ばれるもので、これは自分の経験に伴う記憶のことを言うもので、思い出と言い換えられることもあります。

三つ目は「手続き記憶」というもので、これは自分の体験に基づき「無意識にできる」事を言います。
いわゆる「体が覚えている」というのがこの記憶を言います。
そして最後は「陳述記憶」というもので、言葉で表現することができるような記憶のことを言います。

そしてこの4つの分類とはまた別に、記憶にはその期間によってさらに3つに分類されます。
1つは「超短期記憶」で、一瞬だけ記憶されるものを言います。
デジャブと呼ばれるような現象が起こるのはこの超短期記憶が、自分の思考よりも早くに起こっているからだと考えられています。

次は「短期記憶」で、20秒程度保持される記憶のことを言います。
そして最も長いのが「長期記憶」で、これがいわゆる「記憶」と呼ばれるものとなります。

記憶のシステム

記憶というのは、脳内の幾つかの機関で複合的に行われているものです。
記憶を司る機関としてよく知られているのが「海馬」ですが、この部分は主に「エピソード記憶」の保持に大きな影響を与えています。
海馬にダメージがあり記憶喪失に陥ったとしても、意味記憶や手続き記憶などが失われないことが多いのは、こういった「記憶の保管場所」の違いによるものです。
記憶は脳内でシナプスを介して伝達されるようになっています。