「宇宙ごみ」ってなに?対策はできる?

月

打ち上げ競争

1950年台から70年台にかけて、世界では大きな競争が発生していました。
旧ソビエト連邦とアメリカ合衆国の間で起こった「宇宙開発競争」です。
この期間内には両国が積極的に人工衛星の打ち上げを行い、両者がともに月面着陸を目指した競争を行ってきました。
その結果がどうなったのか、というのはみなさんもご存知の通りで、アポロ13号によって月面着陸が成功し、その後両国による宇宙開発競争は鳴りを潜めていくことになります。

ただ、このような大規模な、開発競争と呼ばれるような状況ではなくなったものの、今でも多くの国が宇宙産業に参入し、しのぎを削っています。
日本にもJAXAという宇宙開発の機関が存在しており、世界に於いて大きな存在感を持つ存在となっていますが、この宇宙開発に於いてはいくつかの懸念があるともいわれています。

その懸念の1つであるのが、「軍事転用」の懸念です。
宇宙空間を利用し、人工衛星を上手く利用することが出来れば、軍事面にも大きなメリットがあるためです。
これまでは「軍事衛星」という形で情報収集に使われる程度のものでしたが、「神の杖計画」といったような、直接宇宙からの攻撃を可能とするような兵器の開発が行われているとも言われており、世界の軍事情勢に大きな影響を及ぼす可能性があると懸念されています。

そしてもう1つ、今ある現実的な懸念であるのが「スペースデブリ」の問題です。
スペースデブリというのは「宇宙ゴミ」のことで、宇宙空間上に漂う無数のゴミを言います。

それでは、スペースデブリがあることによって、どのようなデメリットが発生するのでしょうか。
スペースデブリがあると、ロケットの打ち上げタイミングなどの活動が制限されることになります。
ロケットは超高速で発射されることになるため、ここにちょっとしたものがぶつかるだけでも装甲に大きな損傷が発生することが考えられます。
実際に、過去に装甲に損傷が発生したことによって爆発炎上してしまったロケットなどもあり、今後宇宙開発が進んでこういった宇宙ゴミが増えていくに連れ、この問題は拡大していくことが考えられます。

地球の重力があるために宇宙ゴミの多くは周回軌道上に滞在してしまうようになっているのが問題の1つです。
宇宙ゴミはどんどんと増え続けており、これに対してどのように対策するのか、ということが課題の1つとなっています。

宇宙ゴミへの対策

それでは、この宇宙ゴミに対してはどのような対策を行うことが出来るのでしょうか。
最近ではこの宇宙ゴミにたいして対策を行うための民間会社なども立ち上がっており、宇宙の掃除というのが大きな注目を集めるようになっています。
しかし、宇宙でのゴミの収集というのは、極めて大きなリスクを伴うものであり、資金的にも厳しい業務でもあります。
一つ一つのゴミを回収することは難しいため、特殊な衛星を利用し、宇宙ゴミを大気圏内に突入させて焼失させる、というような方法も検討されています。