地震雲発見!近いうちに地震が起こる?

風景

予知になっている?

大きな地震がある度に、よく話題となるのが「地震雲」という存在です。
これは地震がある直前になると特殊な形の雲が空に見られるようになり、これを見ることによって地震を予知することができる、と一般的に言われているものです。
例えばこの度発生した熊本の大震災においても、多くの地震雲の報告がありました。

それでは、そもそもこの地震雲というのは、本当に意味があるものなのでしょうか。
迷信であるという説と、本当に予知になっているという説がありますが、この実態について紹介しましょう。

基本的にこの地震雲というのは、現代の科学に於いては「根拠はないもの」であるとされています。
地震の前後に偶然発生しているものであったり、普段からある雲であるにも関わらず、地震の際にのみ取り上げられているということがこの理由であると考えられる、というのが現状の定説となっています。
ただ、その反面で、まだ研究が及んでいないだけで、本当は関係があるのではないか、という説もまことしやかに言われているのです。

というのも、地震が発生すると、地下層に於いて岩盤の変動が発生します。
そしてこの岩盤の変動が発生した場合には、電磁波の放出が起こることが知られています。
地震雲はこの電磁波の影響によって雲の形が変異したものである、という説です。

ただ、これについてもやはり現在の所、根拠があるわけではありません。
これについて気象庁は「雲は大気の現象であり、地震は大地の現象であるため、全く別の現象。地震雲がないと断言することは出来ないものの、有るとしてもその形や発生条件などが断定できていないため予知に利用できるものではない」というような見解を示しています。

他の方法での地震予知は?

それでは、他に地震を予知できる方法はないのでしょうか。
かねてより日本では「東海地方を中心とした大地震が起こる」と言われてきました。
しかし、実際には東海地方の地震よりも早く、東北地方や九州地方に於いて大きな地震が発生しています。
これは、「本当は地震予知など出来ないのではないか」と思わせる事実なのではないでしょうか。

実際、地震を研究している学者の中には「地震予知は不可能である」と断言する人もいるのです。
その人の言葉によると「大地震の前兆現象は見つかっていない」といいます。
これまで、地震の予知が可能であるという前提の元に研究が行われてきた事自体が、間違いであった、とまで言っており、今後は地震を予知する方向ではなく、地震が起こった際に対処できるような対策に注力する方向に向かうべきである、と示唆しています。

実際、日本という土地は極めて不安定な地盤の上に存在しているのです。
国土全域が「環太平洋造山帯」の直上に位置し、3つのプレートの境目に存在しているため、どこでどのような地震が発生してもおかしくありません。
東海や首都圏のように、一部の地域の大地震に備えるようなことを進めるよりも、日本はどこにいても大きな地震の可能性があるのだと考えて、対処をしていくことが重要です。

実際、この度の熊本地震に於いて大きな問題となっているのが「地震保険」の問題です。
熊本では大きな地震が起きるというようなことが言われてこなかったため、地震保険にも加入していない人が多く、保障されない家屋の損傷が多いといいます。
日本である限り、地震に於いて安全な場所はないと考えを改めなければ、痛手を負うことになる可能性があるでしょう。
どこにいる方も、十分注意をしておくべきです。